日南海岸追想
懐旧の手書きバス停標識
日南市−飫肥地区
日南市内には油津駅前バスセンターと飫肥の町を繋ぐバス路線がある。日南市内の主要路線だ。この路線の手書きバス停標識の写真はまったくと言っていいほど残っていない。辛うじて飫肥駅前のバス停標識を撮影したものが残っていただけだった。飫肥の中心部、本町通りに設けられたバス停標識は、他の地区とは少し状況が異なり、“城下町の風情に相応しい意匠のバス停標識を”とのことで、他のバス停標識とはまったく異なるデザインのものが使われていたことがある(現在はまたデザインが改められている)。これらのバスも「手書きバス停標識」ということで、ここに掲載しておきたい。
飫肥駅バス停標識
日南線飫肥駅の前に設けられた飫肥駅バス停である。丸ゴシック体風の書体でバス停名が記されているが、これも手書きと思われる。型紙などがあったかもしれないが、印刷ではなさそうだ。背後には飫肥駅の駅舎が少し写っている。
(撮影:2004年夏)
本町1丁目バス停標識 本町1丁目バス停標識 飫肥城下バス停標識 新町バス停標識
飫肥の本町通りに設けられたバス停も昔は一般的な意匠のものだった。今は写真をご覧いただければわかるように、家の形を思わせる五角形の木製の板に、白く「バス」の文字とバス停名、「宮崎交通」の文字が毛筆(と思われる)で記されている。1977年(昭和52年)に飫肥城址と周辺の町並みが「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されたのを機に、「本町通り町並み研究会」が発足、本町通りを城下町に相応しい風情ある町並みにしようという取り組みが進められた。「家は日本風に統一」、「軒の高さを決める」、「ケバケバしい色は避ける」といった申し合わせが定められて城下町としての景観造りが行われたという。このとき、バス停標識も現在のようなものに改められたのだ。最上段の写真は2001年に撮影したもの、他の写真は2008年に撮影したものだ。
(撮影:2001年夏、2008年夏)
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