佳景探訪
和紙のふるさと小川町
埼玉県小川町は和紙の産地として知られる。「小川和紙」は1300年の歴史があり、古くから栄えた小川町は「武蔵の小京都」とも呼ばれる。秋晴れの日、「和紙のふるさと」小川町を訪ねた。



和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町
埼玉県小川町は外秩父の山々に囲まれた自然豊かなところだ。古くから和紙や絹織物の産地として栄えてきた。特に「小川和紙」は有名で、小川町では「和紙のふるさと」と銘打って小川町の手漉き和紙の魅力の紹介に努めている。和紙作りには冬の厳しい寒さや良い水などが必要だが、小川町はそうした自然環境に恵まれていたのだろう。小川和紙は1300年の歴史があり、かつては1000戸の紙漉き屋があったという。時代の変化とともに和紙の需要は少なくなってしまったが、「小川和紙」の手漉きの技術は現在でも綿々と受け継がれ、中でも楮(こうぞ)だけを使った「細川紙」の製造技術は国の重要無形文化財に指定されているという。

和紙作りや絹織物、建具の製造などの地場産業によって古くから栄えてきた小川町は、その歴史や産業、風土などが「小京都」として全国京都会議に加盟する要件を満たし、「武蔵の小京都」としてその名を連ねている。町中心部には古い町並みも残り、往時を偲ばせる。




和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町
JR八高線と東武東上線が寄り添う小川町駅の南側に広がる一角が小川町の中心部だ。小川町駅から南へ向けて延びる通りが町のメインストリートと言っていいのだろう。通り沿いには様々な店舗などが軒を並べ、なかなか繁華な佇まいだ。通り沿いには近代的なビルも建っているが、古い建物も少なくなく、一部にアーケードが残っていたり、風情のある景観を見せてくれる。通りはハナミズキの並木で、訪れた11月上旬、美しい紅葉に染まっていた。ハナミズキの根方にプランターが置かれて花が飾られているのも素敵だ。この通りの一角に小川町の観光情報館「楽市おがわ」が置かれている。観光に訪れたときには立ち寄っておきたい。

小川町駅から南へ数百メートル歩くと国道254号線との「小川町駅入口」交差点だ。交差点付近、国道沿いにも古そうな建物が並んでいる。この交差点から南へ細道が延びている。この細道を数十メートル辿ると、国道の南側を併走するように東西に延びる道へと出るのだが、この道沿いにもさらに古い家並みが残っている。昔は店舗だったらしい建物や土蔵、昔は立派なお屋敷だったようだが今は塀だけが残されているものなど、古い町並みを歩くのが好きな人には魅力的な風景が続く。この道を東へ辿ってゆくとやがて丁字路に突き当たる。丁字路の角にも古い建物が建っている。紙店の店舗だというところが小川町らしいところか。

小川町中心部に残る、これらの古い町並みは、歴史遺産として保存されているものではないように見える。小川町の観光案内リーフレットなどを見ても、これらの町並みを“観光資源”として活用しようという試みもなされていないようだ。残念ながら年月の経過と共に少しずつ、これらの古い建物は姿を消してゆくのだろう。




和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町
小川町中心部から国道254号線を東へ2kmほど辿ったところに「道の駅おがわまち」がある。中央部の広場の一角には紙漉きの作業を行う女性を象ったモニュメントが飾られ、「和紙のふるさと」をアピールしている。

小川町を訪れたなら、「道の駅おがわまち」の中に立つ「埼玉伝統工芸会館」はぜひ見学しておきたい。「埼玉伝統工芸会館」は埼玉県指定の伝統的手工芸品を展示、手漉き和紙の実演なども見学することができ、さらに様々な企画展示も行われている。展示された美しい工芸品の数々はどれも興味深く、目を引くものばかりだ。「道の駅おがわまち」内に併設された物産館ではそれらの工芸物産や「小川和紙」を使ったグッズ類、そして和紙そのものを購入することができる。小川町訪問の記念に、あるいは知人などへのお土産に好適だろう。


和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町

和紙のふるさと小川町
「道の駅おがわまち」の周辺、特に南東側には水田の広がる中に住宅の点在する長閑な風景が広がっている。訪れたのは11月初め、水田はすでに稲刈りを終え、静かに冬の訪れを待っている。「道の駅」から少し南へ歩くと槻川が流れている。河岸を歩いてみるのも楽しい。川の流れと河岸の木々の緑、周辺の山々の姿が織りなす風景がたいへんに美しい。国道を走る車の音も遠く、耳には川音と鳥の声が届く。川に架かる小さな橋を軽トラックが渡ってゆく姿も興趣のあるものだ。のんびりと歩いていると、時の流れもゆったりとしてくるようだ。

こうした農村の風景は地元の人にとっては何の変哲もないものなのだろうが、普段町中に暮らしている身にとっては郷愁を誘われ、心安らぐものだ。「道の駅」に車を置き、しばらく田園風景の中の散歩を楽しむのも悪くない。
参考情報
「埼玉伝統工芸会館」は入館料が必要だ。入館料、開館時間、休館日等については公式サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通

小川町へは、電車ならJR八高線や東武東上線を利用すればよい。どちらも小川町駅で下車すれば小川町中心部だ。

車なら関越自動車道を利用し、嵐山小川ICで降り、県道11号と国道254号などを利用して小川町中心部へ向かえばよい。嵐山小川ICから小川町中心部まで、途中で右折、左折が必要なので、予め地図を確認しておくか、ナビの利用をお勧めする。

小川町中心部には駐車場が少ないのが難点で、2009年11月に訪れたときには駅前の通り沿いの時間貸し駐車場に運良く空きがあって駐車することができたが、運が悪ければ駐車場に困ることになるかもしれない。駅前に設けられた観光案内所で駐車場について訊ねてみてもよいかもしれない。

「埼玉伝統工芸会館」は小川町中心部から国道254号線を少し東へ辿ったところにあり、徒歩で向かうのは無理がある(徒歩では40分かかるとのことだ)。電車で訪れたときには小川町駅前からバス路線を利用しなくてはならない。「埼玉伝統工芸会館」にも訪れたい場合は車での来訪をお勧めする。「埼玉伝統工芸会館」は「道の駅おがわまち」の中に建っており、駐車に困ることはまずないと言っていい。

飲食

小川町中心部にはさまざまな飲食店がある。国道沿いにはファミリーレストランなども建っているから食事をする場所には困らない。

「埼玉伝統工芸会館」のある「道の駅おがわまち」には「麺工房かたくり」という手打ちうどんの店がある。「麺工房かたくり」はお昼の時間帯のみの営業のようなので注意が必要だ。

周辺

小川町中心部の東南側の丘陵地に「仙元山見晴らしの丘公園」という公園がある。203mのローラー滑り台が人気で、素晴らしい眺望も楽しめるらしい。

小川町中心部から3kmほど北西、JR八高線竹沢駅近くには国の重要文化財に指定された吉田家住宅がある。建築物に興味のある人は訪れてみるといい。

小川町の東隣は嵐山町、有名な嵐山渓谷や菅谷館跡へも遠くない。桜の頃なら都幾川桜堤もお勧めだ。紫陽花の季節なら嵐山町北部の金泉寺、ときがわ町の雀川砂防ダム公園ときがわ花菖蒲園も訪ねておきたい。いずれも小川町中心部から10km足らずの距離だ。
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