東京都港区の旧芝離宮恩賜庭園は江戸時代に大名庭園として造られた回遊式泉水庭園だ。夏になれば池の岸辺に百日紅の花が咲き、美しい庭園を彩る。残暑の厳しい八月初旬、旧芝離宮恩賜庭園を訪ねた。
百日紅の咲く旧芝離宮恩賜庭園
八月初旬、厳しい暑さが続く夏の盛りだが、暦の上では立秋を迎えてそろそろ風の中に夏の終わりの気配が漂い始める。旧芝離宮恩賜庭園の木々が強い日差しを浴びて深い緑に輝く中、池の岸辺には百日紅が咲き、美しい庭園に晩夏の彩りを添える。
百日紅の咲く旧芝離宮恩賜庭園
百日紅の咲く旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園の中央部に横たわる大泉水の南東側の岸辺、数本の百日紅が並んでいる。ほとんどは紅色の花を咲かせる百日紅だが、白い花を咲かせるものもある。青く澄んだ夏空の下、日差しを浴びて咲く百日紅の色彩が緑濃い景観の中にひときわ存在感を放って美しい。少し離れて木々の緑を背景に見る百日紅も美しいが、近くに寄って青空を背景に見上げる姿の美しさも劣らない。場所を変えて眺めてみれば、百日紅の花と木々の緑、大泉水、そして青い空とが織り成す景観の表情もさまざまに変わって飽きない。そもそも美しい庭園の中だから“百日紅の咲く風景”としても充分に美しいが、百日紅の花房を間近からじっくりと観賞するのもいい。花房の背景に大泉水が見える景観もなかなか興趣のあるものだ。
百日紅の咲く旧芝離宮恩賜庭園
暑さを嫌ってか、日曜日だというのに来園者の姿はほとんどない。そのため、喧噪を離れた静かな時間を過ごすことができる。旧芝離宮恩賜庭園の百日紅はそれほど数は多くはないが、庭園の美しさと相俟って百日紅の美しさを存分に堪能することができる。厳しい暑さの中ではじっくりと時間をかけて散策を楽しむことも難しいが、ときどき木陰で休みながらのんびりと園内を巡ればいい。静かに行く夏を惜しむ旧芝離宮恩賜庭園である。
百日紅の咲く旧芝離宮恩賜庭園
参考情報
  本欄の内容は旧芝離宮恩賜庭園関連ページ共通です
旧芝離宮恩賜庭園は入園料が必要だ。ペット連れの入園はできない。その他、開園日、開園時間、注意事項については東京都公園協会サイト(「関連する他のウェブサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

交通
旧芝離宮恩賜庭園はJR浜松町から至近で、北口へ出ると徒歩1分ほどで庭園入口に着く。都営地下鉄大江戸線大門駅や都営地下鉄浅草線大門駅からも徒歩5分ほどと近い。ゆりかもめ竹芝駅からも徒歩で10分足らずだ。

車で来訪する際には首都高環状線芝公園出口を利用するのが近い。旧芝離宮恩賜庭園の駐車場は用意されていないが、JR浜松町駅西側、国道15号(第一京浜)沿いに大小の民間駐車場が点在している。

飲食
園内には食事の可能なレストランや茶店などはない。園内への飲食物の持ち込みは可能で、園内裏山横の芝生広場でのレジャーシートの利用が可能とのことだ。ブルーシートは利用不可で、園内裏山横の芝生広場以外の場所でのレジャーシート使用も禁止だ。園内随所に設置されたベンチを利用してお弁当を広げることもできる。またアルコール類の持ち込みは禁止、花見の時期の宴会も禁止だ。

園外に出ればJR浜松町駅周辺、地下鉄の大門駅周辺、ゆりかもめの竹芝駅周辺にかけて、ビルのテナントなどとしてさまざまな飲食店が点在しており、食事の場所を探すのにはまったく困らない。好みの店を見つけて食事を楽しむといい。

周辺
旧芝離宮恩賜庭園から西へ1kmほど行けば芝公園、東京タワーだ。北側は汐留が近い。浜離宮恩賜庭園旧新橋停車場などへ散策の足を延ばしてみるのがお勧めだ。東へ進めば竹芝桟橋、ひととき東京湾を眺めながら散策を楽しむのも悪くない。
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