青島入口から県道377号を数百メートル南へ辿り、案内標識に従って海側に逸れて入り込んでゆくと青島漁港がある。防波堤に囲まれた港湾内には波もなく、繋がれた漁船がゆったりと日射しを浴びている。防波堤の向こうには
青島や
青島亜熱帯植物園の緑がわずかに見え隠れする。周辺の町並みは鄙びた漁港の町の風情を漂わせている。
青島漁港には宮崎市漁業協同組合の本所が置かれている。宮崎市漁業協同組合は2002年(平成14年)7月に青島漁協と内海漁協が合併して誕生した。宮崎県の漁業は一般的にカツオやマグロの水揚げが多いが、イセエビの漁獲量も少なくなく、この宮崎市漁協はイセエビの水揚げで宮崎県内一なのだという。4月から8月の産卵期は禁漁と定められているそうで、解禁となる9月は伊勢海老漁で賑わい、地元のニュースで取り上げられたりもする。
漁港内には直売センターが設けられており、水揚げされた新鮮な魚介類を取り扱っている。青島漁港で水揚げされた魚介類は「青島どれ」のブランド名で知名度を増し、販売量も増えているという。2005年(平成17年)には「港あおしま」という名のレストランが漁港内にオープン、「青島どれ」の魚介類を使った各種メニューが好評らしい。さまざまなメニューが用意されているが、基本的にその日に水揚げされた魚介を使用するために内容は日によって変化し、場合によっては提供できないメニューが生じることもあるようだ。
青島漁港の南側に突浪川の河口がある。河口にも小さな漁船が繋がれている。そもそも青島漁港は折生迫港と呼ばれる、突浪川の河口港だった。折生迫港は歴史の古い港で、安土桃山の時代には琉球船が出入りしていたという記録があるそうだ。江戸時代末期までかなり繁栄していたようだが、明治期になると川底が土砂で埋まって大型船の出入りができなくなってしまったらしい。現在のような青島漁港が整備されたのは戦後になってからだという。
青島漁港の周辺には民家が密集して建ち並び、昔ながらの港町の佇まいを残している。細い路地にも鄙びた漁港の町の風情が漂っている。夏の朝、漁港の町はひっそりと静かだ。あまり人の姿もなく、夏の日射しの下に時が止まったような風景が横たわっている。
青島漁港は特に観光地というわけではないが、「港あおしま」で新鮮な魚介類を味わうのもお勧めだ。食事の後はのんびりと漁港の岸壁や周辺の町を散策してみるのもいい。郷愁を誘うような風景が素敵だ。