横浜線沿線散歩

公園探訪

町田市下小山田町
小山田緑地
April 2000

小山田緑地

小山田緑地は町田市下小山田町の丘陵地帯の一部を公園としたもので、都立の公園として1990年(平成2年)6月に開園している。広場や雑木林、池などからなる本園と、本園の北部に点在する分園から構成されている。その名が示す通り、小山田に残された多摩丘陵の自然を緑地として保全しようという目的のためのもののようで、都市型の公園とはまったく趣が異なる。自然を満喫して散策を楽しむのには絶好の場所だと言えるだろう。

小山田の牧 小山田緑地本園は下小山田町の中央あたりにほぼ円形に近く広がっており、その北側を抜ける狭い道路に面してメインの入口と管理事務所が置かれている。管理事務所脇の入口から坂道を上って本園に入ると、雑木林の丘陵の中にぽっかりと視界が開けて広場に出る。「小山田の牧」と名付けられたこの広場は12世紀頃に馬の放牧が行われていた牧場の遺構であるという。当時の下小山田町はこの地を治めた小山田有重の小山田荘の中心であったらしく、この遺構もその当時のものなのだろう。

広場の東側には雑木の林の中を尾根道が辿っている。「小山田の道」と案内標識にある。「小山田の道」の名は大久保分園の方でも見られるが、本園内の道脇には馬頭観音なども残っているところをみると単に公園内に設けられた散策路というのではなく、かつての古道の名残なのだろう。舗装されずに古来の面影を残す道は木漏れ日も美しく、野鳥の声も聞こえてのどかな散策が楽しめる。

みはらし広場 広場の西側には一段高くなった丘があり、「みはらし広場」と名付けられている。標高が123mあるという丘の上は園内では最も高所にあたり、その名が示すように視界が開けて見晴らしが良く、多摩丘陵や遠くには丹沢の山並みも望めて爽快な気分が味わえる。眼下に宅地造成された一画が見えてしまうところなどは少々興をそがれるところだが、丘の上を渡ってゆく風に吹かれながらのんびりと過ごすひとときは穏やかな開放感に満ちていて、時の経つのを忘れてしまう。広場にはテーブルとベンチがいくつか設置してあり、お弁当を広げたりするにも絶好の場所だろう。

本園東側部分は雑木林に囲まれた谷戸部となっていて、池があり、その周囲を辿るように木道が設置されている。「小山田の谷」と名付けられたこの谷戸は本来は「宇津保沢」という地名であるようだ。

小山田の谷 池は湧き水と雨水とを集めたもののようだが、さまざまな水辺の生き物や植物を見ることができ、ちょうどこの季節は池の中におびただしい数のオタマジャクシを見た。並大抵の数ではなく、水辺から覗き込んだ池の中が黒く染まるほどで、手を差し延べると簡単にオタマジャクシをすくい上げることができた。木道からは今にも落ちそうに身を乗り出しながら、子どもたちがオタマジャクシをすくって遊んでいた。

「小山田の谷」の奥まったところには見事な竹林があり、美しい景観を見せてくれるのだが、この季節は筍の時期で、「筍を採らないで下さい」との注意書きと共に立ち入りを禁じるロープが張り巡らされていた。実を言えば園内のところどころで筍を掘る人の姿を見た。盗掘であろう。子どもたちがオタマジャクシをすくうのとは根本的に違うのではないかとも思えるが、筍堀りの人たちには違った論理があるのかもしれない。

小山田緑地 小山田緑地は周囲に広がる風景も古き佳き時代の多摩丘陵の姿を色濃く残しており、本園を拠点に分園を巡る散策が楽しい。数人のグループで軽いハイキングを楽しむ人たちの姿も多い。子どもたちの喜ぶような遊具類は無いが、広場を駆け回るのも楽しいに違いない。小さな子どものいる家族連れなら木陰にシートを広げて、子どもたちの遊ぶ姿を眺めながらのんびりと過ごすのもよいだろう。

多摩丘陵の自然をそのままに残す小山田緑地は過剰に整備の手が入れられていない素朴さがいい。初夏の新緑や、梅雨の時期の紫陽花、夏の蝉時雨、秋には紅葉に染まった雑木林など、四季折々の自然の表情がいい。そうした自然の中に生きる小さな生き物の姿もふんだんに観察することができて、小学生くらいの子どもたちにもとても魅力的なものに違いない。

管理所には近辺の様子を記したイラストマップが用意してあるので、ぜひ利用したい。初めて訪れた際には係の人に公園の概要を教えてもらうとよいだろう。特に分園の周りは公園の土地と私有地とが入り組み、また近接するゴルフ場のコースに近い場所もあって飛来するボールの危険もあり、注意が必要だ。

「大泉寺」のバス停から大泉寺の横を通ってさらに入り込んだところに本園の入口と管理所があり、管理所横に駐車場があるが駐車スペースは15台分とのことで、休日にはバスで訪れる方がよいだろう。

小山田緑地

追加補足情報 上記内容を記した2000年4月以後も小山田緑地の整備改良は重ねられている。本園東側と北側にはそれぞれ駐車場が増設された。駐車スペースはそれぞれ30台分ほどが確保され、小山田緑地全体での駐車可能台数は70台ほどになった。それに伴って管理所脇の駐車スペースの一般利用はできなくなったので留意されたい。また「小山田の牧」の北側周辺部に木製の遊具が各種設置され、子どもたちの遊び場としてもより充実したものになっている。その他、問い合わせ先、交通アクセスの詳細などについては、東京都公園協会のサイト(頁末「関連する他のWEBサイト」欄のリンク先)を参照されたい。

小山田緑地


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