日南フェニックスロード
宮崎市街から国道220号、国道448号を経て都井岬へ至るルートには「日南フェニックスロード」という愛称が付けられている(もっとも地元の人間がこの名を使うのを聞いたことはない)。「日南フェニックスロード」はそのほとんどが海岸に沿っている。沿道は「日南海岸ロードパーク構想」に基づいて整備され、椰子の木や南国の花々で彩られて美しい景観を見せる。青島堀切峠鵜戸神宮都井岬といった日南海岸の観光名所のほとんどがこのルート沿いにあり、このルートを辿る観光こそが日南海岸観光そのものと言っていい。
宮崎市街から宮崎南バイパス
宮崎南バイパス
宮崎市街から日南海岸を目指すなら、国道220号を辿ることになる。田園地帯の中を抜ける宮崎南バイパスが今では国道220号として宮崎市街と青島方面とを繋ぐ。片側二車線のバイパスは中央分離帯にワシントン椰子が植えられ、葉が風に揺れる様子も南国の雰囲気を感じさせて爽快だ。やがて右手に海が見えてくる頃、バイパスは総合運動公園の傍らへと降りてゆく。
青島
青島付近
総合運動公園前から国道220号は青島バイパスへと続いているが、観光目的の場合はバイパスから左へ逸れて青島や「こどものくに」の横を抜ける県道377号に降りるといい。この道は青島バイパスができる以前の国道220号で、青島の近辺ではいかにも観光地らしい風情を漂わせていて走るのも楽しい。行楽客向けの駐車場が随所に用意されているので立ち寄ると良いだろう。
堀切峠
堀切峠
青島から折生迫(おりゅうざこ)の街を過ぎ、白浜海水浴場入口の交差点を過ぎると、県道377号は海岸から離れて山間の峠道へと入ってゆく。くねくねと急カーブの続く中を登っていくとやがて青島バイパスへ合流する。すぐに青島バイパスから左へ逸れる道がある。左へ逸れれば有名な堀切峠だ。山間の峠越えを思わせる道の行く手に突然広々とした海が見える様子は、初めての人なら息を飲むような美しさであるに違いない。ここで道路は右へほぼ直角に折れ、海岸に沿って南下してゆく。堀切峠にも駐車場が用意されているが、少し過ぎたところの「道の駅」フェニックス前が眺めもよく、広い駐車場が用意されており、一休みにはお薦めの場所だ。
堀切峠からいるか岬
堀切峠から緩やかに下ってトンネルを抜けると内海(うちうみ)の町だ。ここからしばらく道路はJR日南線と併走し、やがて小内海(こうちうみ)に至る。小内海を過ぎると線路は離れ、道路は海岸に沿ったまま「いるか岬」へ向かう。このあたりの海岸は「鬼の洗濯板」がとてもよく見えるところだ。「鬼の洗濯板」というと青島ばかりが有名だが、このあたりの景観も決して見劣りしないものだ。いるか岬は宮崎市と日南市の境にあたる。かつてはそこから沖を泳ぐいるかの姿が見られたものだという。
いるか岬から日南市街へ
大浦付近
いるか岬から伊比井(いびい)を過ぎて岬を回ると富土(ふと)だ。富土の浜は海水浴場で、夏になると行楽客で賑わう。富土から岬をバイパスして小目井にトンネルが抜ける。以前は旧道を辿るとサボテンハーブ園があり、観光名所のひとつだったのだが、残念ながら2005年3月で事実上閉園した。小目井から宮浦を過ぎるとモアイ像で有名なサンメッセ日南、次には鵜戸神宮と続く。鵜戸トンネルの入口で左手の旧道へ「鵜戸神宮」を指し示す標識があるが、トンネルを抜けてから少しばかり引き返すようにして鵜戸神宮へ向かってもよいだろう。鵜戸神宮から小吹毛井を過ぎて岬を回ると、海の向こう遙か前方には大島の島影や岬のシルエットが墨絵のように浮かび上がる。やがて道が海岸から離れると日南市街が近い。
TIP! 宮崎市街から日南市にかけては道沿いにお店なども多く、休憩や食事にも困らない。総合運動公園の近くにはファーストフードやファミリーレストランなども軒を並べる。海岸沿いにも海の幸を食べさせてくれるお店が点在しているので、どれかのお店を選んで新鮮な魚介類を味わうのもよいものだろう。串間市に入ってからの国道448号沿いには食事のできるお店はほとんど無く、都井岬までのドライブの際には日南市以北で食事を済ませておきたい。
油津から大堂津
油津
風田を過ぎて長い直線の道路を走り抜けると、広渡川を渡って日南市街だ。広渡川を渡ってすぐに左折すると梅ヶ浜、そのまま真っ直ぐに進めば市街地へと入り、やがて「春日町」交差点に至る。このあたりが油津(あぶらつ)の繁華街に近く、有名な堀川運河もこの近くだ。交差点は十字路だが、国道220号は左へ折れて続く。右へ折れれば飫肥(おび)方面へ向かう国道222号だ。直進は狭い道で、堀川運河河畔の町中を辿っている。国道220号を辿ると油津港の入口で右に折れ、堀川運河を橋で越えて道は再び海岸沿いへと出る。トンネルを抜けてしばらく走ると小さな浜辺から岬を回って大堂津(おおどうつ)の町へと降りてゆく。この岬は猪崎鼻(いざきばな)といい、突端部分の展望台からの眺めが素晴らしい。夏であれば大堂津の海水浴場も考慮に入れておくとよいだろう。
大堂津から南郷へ
日南線の大堂津駅前を過ぎ、国道220号は大堂津の町の中をほぼ真っ直ぐに走り抜ける。やがて細田川を渡って左に折れると、目井津(めいつ)の町だ。亜熱帯の植物の茂る虚空蔵島と目井津港などを左に見ながら進み、目井津港入口で右に折れて海から離れて町中を抜ける。やがて南郷駅前、国道220号はそのまま駅前を過ぎて、榎原(よわら)を経て串間方面へと向かう。日南フェニックスロードは駅前で左に折れ、国道448号となって続いている。穏やかな田園の風景の中を走り、南郷プリンスホテルへの入口の傍らを過ぎて栄松(さかえまつ)に着く。国道は右に折れるが栄松海水浴場へはその交差点を直進だ。国道に沿って外浦港へと辿ると海中遊覧の「マリンビューワーなんごう」が待っている。
外浦から夫婦浦
外浦(とのうら)から贄波(にえなみ)を過ぎると道は再び海沿いになるが、ここから南は堀切峠から日南市街までの国道220号とはすいぶんと印象が異なり、海に張り出した断崖の中ほどに張り付くような道がくねくねと続いてゆく。眼下の磯辺の荒々しさも美しく、沖の島影などが織りなす景観は日南海岸のもうひとつの魅力と言っていいだろう。贄波を過ぎて岬へと向かうと、外浦を見下ろす場所に「道の駅なんごう」がある。テラスから見る外浦の風景は素晴らしく、車を停めての一休みがお薦めだ。「道の駅なんごう」を過ぎてトンネルを抜けると眼下に夫婦浦の入り江が見えてくる。夫婦浦も景観の美しい磯辺で、駐車場も設けてあるので立ち寄ってもよいだろう。
市木
市木
夫婦浦を過ぎると串間市市木地区だ。右手眼下に築島を見ながら断崖の道路を辿ると、やがて前方眼下に美しい砂浜の姿が見えてくる。「日本の渚百選」にも選ばれた石波の海岸だ。その浜の先の方に見える島が、芋を海水で洗う猿で有名な幸島だ。坂道を下ってワシントン椰子の姿の美しい道路を緩やかに曲がって進み、石波の集落を過ぎると幸島入口に至る。そこから海岸へと出ると駐車場が設けてあり、幸島への瀬渡船もある。興味のある人は渡ってみるとよいだろう。
恋ヶ浦と小崎
恋ヶ浦
幸島を過ぎて再び断崖に張り付くような道路を辿り、しばらくすると波乗りのポイントとして有名な恋ヶ浦だ。夫婦浦、幸島、恋ヶ浦と続くこのあたりは、南から北へと辿ると「恋」、「幸」、「夫婦」となり、「ロマンス街道」などと呼ばれたりもしていた。現在は串間市が「しあわせハッピーロード」と名付けて観光地としての魅力創出に努めているようだ。恋ヶ浦から道は「恋ヶ浦トンネル」で岬をバイパスし、宮ノ浦の集落へと抜けてゆく。「恋ヶ浦トンネル」の抜ける岬は小崎といい、突端部分には展望所と駐車場が設けられている。岬はかなりの高みで、北に恋ヶ浦、南に都井岬のシルエットを望み、眼前に広がる大海原の景観が美しい。
TIP! 宮崎市街から日南市にかけての国道220号部分は道幅も広く快適なドライブが楽しめるが、特に串間市に入ってからの国道448号は断崖に刻まれたような道路であるために急カーブが多く、道幅の狭い部分も少なくない。徐々に整備は進んでいるようだが、まだまだ危険な場所も残っており、運転の際には充分な注意が必要だ。また台風災害などのために通行止めとなっている区間があることもある。訪れる際には道路情報に留意されたい。
都井岬
都井岬
宮ノ浦の集落を過ぎて山間部を抜ける道路を辿って行けばいよいよ都井岬だ。串間市街へと向かう国道448号を逸れて都井岬へと入ってゆくとやがて「駒止の門」があり、車で入る際には「パンフレット代」を支払う必要がある。「駒止の門」を過ぎるとそこは有名な野生馬の暮らす場所だ。カーブを曲がると突然、目の前に馬の姿が現れたりもする。道も狭く慎重の上にも慎重な運転が必要だ。しばらくすると「都井岬観光交流館パカラパカ(PAKALAPAKA)」の建つ一角に着く。都井岬灯台や御崎神社へはさらにそこから少しばかり走らなくてはならない。180度以上の視野で海が広がる灯台からの景観や、断崖に蘇鉄が茂る御崎神社付近の様子も見応えのあるもので、日南フェニックスロードの終着点として相応しいものと言えるだろう。
TIP! 車での所要時間は交通量に影響されやすく季節や時間帯によって異なるが、宮崎市街から日南市街まで一時間半ほど、日南市街から都井岬までさらに一時間半ほどを要する。それぞれ途中でどこかに立ち寄ればその分の時間が必要だ。ゆったりと余裕を持って観光するなら宮崎市街と日南市近辺、あるいは串間市近辺など、宿泊地を変えて移動しながらの観光がよいだろう。
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このWEBページは2021年8月に一部本文を改稿、再構成しました。